INTRODUCTION

店が潰れた本屋の主人と、花屋でバイト中のサエない男が、ジゴロ・ビジネスを開業─?!ジョン・タトゥーロ&ウディ・アレンが、ニューヨークを舞台に繰り広げる、大人のラブストーリー。

代々続くブルックリンの本屋を潰してしまった店主と、いい歳をして定職にも就かずアルバイトを転々とする男。イケてないことにかけては、ニューヨークでもトップクラスの男たちが、なぜかジゴロ・ビジネスを始めることに─?!
ジゴロ=色男というお約束を完全に無視した本作を生みだしたのは、『バートン・フィンク』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞したジョン・タトゥーロ。スパイク・リーやコーエン兄弟ら奇才監督の元で独特の存在感を見せる個性派俳優だ。そのスペシャルな才能を監督業でも発揮、監督デビュー作『マック/約束の大地』でカンヌ国際映画祭カメラ・ドールに輝き、続く『天井桟敷のみだらな人々』では同映画祭パルム・ドールにノミネートされた。
そして次なる監督作にと、タトゥーロが温めていたジゴロネタを耳にし、すっかり心を奪われたのが、名監督にして名優のウディ・アレン。アカデミー賞に史上最多24回ノミネートされ、脚本家としても同賞に16回ノミネートされ、そのうち3度受賞という超人的な足跡を映画史に残すアレンが、気に入ったあまりタトゥーロの脚本にあれこれ口を出し、遂にはタトゥーロとダブル主演で、14年ぶりとなる自身の監督作以外への出演を果たしたのだ!
全米の限定公開作品としては、今年第2位となる大ヒットスタートを記録、ニューヨークに笑いと幸せをばらまいた、ロマンティックなジゴロたちが、この夏日本にやって来る─。

すべての女性たちに幸せをバラまく、小粋でおかしくて少し切ない、大人のための物語。

アレン扮する“ポン引き”のマレーと、タトゥーロ演じる“ジゴロ”のフィオラヴァンテという、脱力感溢れる奇妙なコンビのジゴロ業は、意外にも大繁盛。マレーはすっかり調子に乗るが、フィオラヴァンテがジゴロのご法度“客との恋”におちたことから、2人の運命は思わぬ方向へと転がっていく─。
フィオラヴァンテの最初の客で、彼に夢中になる裕福な女医パーカーには、『カジノ』でアカデミー賞にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞を受賞、世紀をまたいでトップスターに君臨し続けるシャロン・ストーン。フィオラヴァンテが恋におちる、厳格なユダヤ教徒の未亡人アヴィガルには、『橋の上の娘』のヴァネッサ・パラディ。ハリウッドとフランスが誇る二人の女優が、恋と触れ合いを通して人生を見つめ直す女性を、艶やかに演じている。
ニューヨークを舞台にした数々の作品で知られるアレンと、彼と同じく生粋のニューヨーク生まれのタトゥーロが案内役となり、この街の洗練された文化から、様々な人種が入り混じった人間味溢れる暮らしまで、たっぷりと見せてくれる。
全編に奏でられるジャズの名曲、アレンのアドリブも楽しいシニカルで粋な会話、一夜だろうと本気だろうとロマンティックで切ない恋─観客にも小さな幸せをバラまきながら、失敗も成功もあるからこそ、人生は愛おしいと語りかける心温まる物語。大人のための映画を待ちわびていた、あなたへお届けします─。